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脳神経科

小動物の診療においてもMRI・CTといった検査も日常的となり、それに伴い脳、脊髄腫瘍や脊髄梗塞、脊髄空洞症といった今まで診断が困難だった病気も、より正確に診断可能となりました。
以下に代表的な脳・神経科疾患を示します。

てんかん

慢性、再発性の発作を特徴とする脳疾患であり、脳の神経細胞に異常な放電が起こることにより、四肢の硬直、全身または一部の筋肉の震え、よだれをたらす、興奮、落ち着きがなくなるなどの動作が引き起こされる病気です。てんかん様発作にはいろいろな原因がありますが、特発性てんかん(真性てんかん)の場合にはMRI等の検査も含め異常なしとなってはじめて診断されます。(除外診断といいます)

椎間板ヘルニア

椎間板とは背骨と背骨の間にあるクッションの役割を果たしている物質で、これが変性、硬化し上に飛び出した状態をヘルニアといいます。
そのため脊髄を圧迫し、軽度であれば痛み、重症になると神経麻痺を引き起こします。症状は突然起こり、原因としては遺伝、加齢、栄養不足などが指摘されており、よくいわれる肥満は直接的な関係性はないとされています。好発犬種はM・ダックス、シーズー、ビーグル、コーギー、ペキニーズなどの軟骨異栄養犬種といわれる犬種で、いわゆる胴長短足の犬たちです。症状のグレードにより内科・保存治療、外科・手術治療を選択いたします。また、脊髄軟化症という椎間板ヘルニアの約5%の症例に起こるとされる、脊髄が壊死・融解する大変恐ろしい病気があり、残念ながらMRIでも確定診断が難しく、発症するとほぼ1週間で死亡に至る。現在も効果的な治療法は存在しない。


通常時のヘルニア術中所見

脊髄軟化症の術中所見(脊髄の暗色化がわかる)